2024.03.28

やっと本を読んでいるという自意識から完全に逃れた状態で本を読めるようになった。物を知っていたところで馬鹿であることには変わりがない。それを目の前に分かりやすく示してくれただけでも、入試に落ちるという経験を得てよかったと言えるのかもしれない。現実は日に日に遠ざかるばかりで、生きていても仕方がないから生存に対して敬虔に自らを恥じて生きていくしかない。自分の意識がそれをようやく少しは理解するようになったらしい。ほんの少しだけれど、良いことだと思う。駅の階段を上りながら、自分は長く蹲るごとに、魂を清冽に病んでいくのだろう、というようなことをどこかで了解した。

強固な文体が確立されている文章は何でも面白い。